高速信号伝送におけるビアの影響
1.サンプルと方法
- ・板厚1.6mm、8 層板、材質FR-4。
- ・全長250mm の配線の両端にSMA レセプタクルを実装し、250mm を3等分する位置にφ0.2mmのビアを配置した。ビアの断面写真を図1に示す。SMA レセプタクル-ビア間は50Ωのマイクロストリップ(L1)、ビア-ビア間の50Ω配線はL3、L6 およびL8 に配置した。比較のため、ビアの無い250mm 長の50Ωマイクロストリップ(L1)も準備した。
- ・L3 配線の場合はL4-L8、L6 配線のときはL7-L8 のスタブを、バック・ドリル加工によって機械的に削除した。図2は、バック・ドリル加工済スルーホールの断面である。なお、ビア-ビア間の配線がL8 配置の場合、スタブは無い。
- ・以上6種類のサンプルの模式図を図3に示す。これらの特性インピーダンスとS パラメーターを測定した。
2.特性インピーダンス
TDR 法で測定した。計測器にはアジレント・テクノロジー54750A+54754A を用いた。
測定結果を図4に示す。
3.Sパラメーター
計測器には、アジレント・テクノロジーE5071A を用いた。校正は、専用の電子校正キット(通称Ecal)を用い、図5のように同軸ケーブル先端で実施した。
6種類のサンプルに対するS21 の測定結果を図6に示す。