プリント基板総合メーカー|RITAエレクトロニクス株式会社 > 技術資料 > 部品実装部位の特性インピーダンスコントロール手法
高速信号の伝播経路としては配線、スルーホールだけでなく、部品実装部位がある。一般に、表面実装部品のフットプリントは配線よりも太いため、その部位の特性インピーダンスは低下します。
今回、部品実装部位の特性インピーダンスコントロール手法の確立を目的として表面実装用コネクタのフットプリント直下の内層プレーンに抜きを設けた基板を作成し、その特性インピーダンスを測定して任意のインピーダンスを得るための手法を検討しました。
この内層プレーンを抜く手法の弊害として、発生するノイズについても実測した。実装パッド直下に内層プレーンが存在する場合、パッド部で特性インピーダンスが低下しました(Zdiff 73Ω)。
一方、内層プレーンに抜きを設けた場合、実装部位の差動インピーダンスは増加し、112Ωとなりました。
また、実装部位の設計状態によらずコネクタ内部において差動インピーダンスは110~115Ωとなりました。
また、TDR測定時と同じ状態でネットワーク特性を測定しました。
内層プレーンが存在する場合の実装部位での特性インピーダンス低下は、差動インピーダンス100Ωコントロールの信号配線幅よりもパッド部位の幅が太いため、および、パッド部でのリード実装部よりもコネクタ側に入っている部分(スタブ)に起因する負荷容量のためと考えられます。
一方、内層プレーンに抜きを設けるとコネクタリードのインダクタンス成分が支配的になったため、特性インピーダンスが上昇したと考えられます。
また、近傍磁界測定結果からは内層プレーンに抜きがなくリターン電流経路が十分に確保されている場合に比して、内層プレーンに抜きを設けるとリターン電流経路が長くなり、このリターン電流経路長の増加が近傍磁界強度の増加の原因になったと考えることができます。
また、内層プレーンの抜き面積をさらに大きくすると、その部位の近傍磁界強度が増加することを確認しています。
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