プリント基板総合メーカー|RITAエレクトロニクス株式会社 > 技術資料 > 低損失基板の伝送特性評価
1.はじめに
半導体デバイス間の信号の入出力は高速化しており、速度や伝送距離によっては光配線が必要といわれている。
一方で従来の銅配線による高速伝送対応が進んでおり、年々進化しており、差動伝送では28Gbps、シングルエンド伝送では12Gbpsが実用化されはじめている。このような高速な信号入出力のある半導体デバイスを適切に機能させ、伝送波形やリターンロスの仕様に合致させるためには、信号の送り側(Tx)と受け側(Rx)との間の基板配線、コネクタ、ケーブル等で構成される伝送線路の損失を小さくする必要がある。
2.プリント配線板の材質
高速な電気信号が導体を伝搬する際、導体損と誘電損からなる伝送損失が生じ、高周波成分ほど減衰する。誘電損はガラスエポキシの比誘電率(εr)、や誘電正接(tanδ)の関数であり、これらが小さいほど伝送損失は小さくなる。
図1は外層配線の差動インピーダンス100Ω系で測定したオッドモードの透過特性Sdd21である。
0dBは100%伝搬することを示す。テスト基板の配線長は180mmで、このうち30mmはコネクタから差動配線までの引き出し用としてシングルエンド50Ωとし、残り150mmを差動インピーダンス100Ωの結合線路として配置した。この図に表記したεrやtanδは材料メーカーによる1GHzにおける公称値であり、これらが小さいほど損失が小さいことが分かる。
一方で、内層配線になると、導体の表面が誘電体で覆われているため誘電損失が大きくなる。また、リファレンスとなる導体が外層配線の時は配線の片側の層のみであるのに対して、内層配線の時は上下層存在するため、インピーダンス整合を取るためにパター幅が細くなる。それにより、導体損失も大きくなる。
図2は内層配線の差動インピーダンス100Ω系で測定したオッドモードの透過特性Sdd21である。
同じくテスト基板の配線長は180mmで、この内30mmは外層配線とし、残り150mmを内層結合配線として配置した。外層配線の時と同様に、εrやtanδの値が小さいほど損失が小さいことが分かる。
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