プリント基板総合メーカー|RITAエレクトロニクス株式会社 > 技術資料 > 放射ノイズ抑制においてプレーン共振解析を活用した低ノイズ設計|RITAエレクトロニクス株式会社
弊社は放射ノイズ抑制パターン設計の実現のため、EMI抑制設計支援ツールDEMITASNX(NEC)のプレーン共振解析機能を活用している。
多層プリント基板では一般に電源プレーンとGNDプレーンが存在する。信号配線のリターンパス不連続等によりプレーン共振が誘起されるとノイズが発生するため、プレーン共振効率の低減を図る必要がある。DEMITASNXのプレーン共振解析を行うと、図1に示すように最大電圧分布図と最大電圧スペクトラムを確認することができる。
図1 DEMITASNXを用いたプレーン共振解析
図1 DEMITASNXを用いたプレーン共振解析
最大電圧分布図から、対策が必要な部位の同定が可能であり、最大電圧スペクトラムからは、さらなる対策の必要性の有無がわかる。
今回、DEMITASNXのプレーン共振解析の設定方法、判断基準、コンデンサやRCスナバの追加方法について検証を行ったので報告する。
図2に検証に用いた評価基板の外観と実測風景示す。
図2 評価基板と実測風景
図2 評価基板と実測風景
中央のSMAコネクタを励振点として四隅の電圧が高くなる基板を作成した。基板にSMAコネクタを実装し基板中央(ポート1)~基板四隅(ポート2;①~④)間のS21を測定した。ネットワーク・アナライザーより取得したS21実測結果とDEMITASNXプレーン共振解析結果を比較した。
図3にS21実測とDEMITASNXプレーン共振解析の比較結果を示す。
図3 S21実測とDEMITASNXプレーン共振解析結果比較
図3 S21実測とDEMITASNXプレーン共振解析結果比較
水色の線が実測、紺色の線と緑色の線が解析結果であり、共振周波数はよく一致していることが確認できる。これは基板材料の比誘電率等の材料特性の他、コンデンサモデルの最適化を行った結果である。また、解析結果の紺色の線はDEMITASNXプレーン共振解析の表皮効果・誘電損の設定を無効にした場合であり、最大電圧が高くなり過ぎる結果である。一方、緑色の線は前述の設定を有効にした場合であり、実測に近づく傾向を確認した。このような解析モデルや設定方法の最適化により実測との相関性が向上する。
この他、コンデンサやRCスナバの有無による実測とプレーン共振解析の比較を行い、解析の信頼性を検証している。
DEMITASNXプレーン共振解析について概説した。また、当社独自の評価基板による実測と解析の比較により、プレーン共振解析の実測との整合性向上や解析の信頼性把握を行っている。
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